「テレカン投資」が自然になり、東京以外でも資金調達が可能に

「若手×創業期」のハードルは高くなったと感じるものの、東京一極集中の調達環境から、機会が都内外の起業家にも広がっています。

2020年は「オンラインで投資できるのか」ということが議論されましたが、2021年は多くの投資家が当然のようにテレカンで投資をしています。移動に制限がかかったことが、東京以外で起業する方にとって調達機会を増やしたと思います。

新しいテーマにより、若手の起業にもチャンス

2021年の下半期には、国内で「Web3」などのテーマに注目が集まりだしました。発展途上の領域ということもあり、参入機会を得た若手起業家への資金提供は加速しているように感じます。国内での資金調達はまだまだ顕在化していない時期だと感じますが、盛り上がりをみせています。

若手起業家にとって、調達タイミングの前から投資家とコミュニケーションすることがより重要に

創業初期に投資をしている中で、若手起業家が調達を進めるには、資金調達の前段階から投資家と接点を持つことがますます重要になっていると思います。

もちろんこれは以前からも重要なことでしたが、実績を持ったシリアルアントレプレナーの動向などに注目が集まり、相対的に調達が難しくなっています。そのため、事前に投資家と接点を持ち、起業家としての変化率を示すことや事業の理解度を上げてもらうことで調達が円滑に進むのではないかと感じた1年でした。

2022年の投資環境の変化や注目領域・プロダクトについて

EC:供給量の増加と購入体験の向上が加速する

パンデミックにより生活様式が変化し、販売チャネルの開拓と購入体験の向上を求める動きが加速していくと思います。結果的にEC化率向上も後押しすると思います。これまで店舗営業中心だった事業者が、オンライン販売に供給量を増やしたり、LIVE配信やインフルエンサーとのタイアップなどで販売方法を更に広げたりしていくと考えています。

また、海外でしか購入できなかった商品を国内で購入できるようになったり、TikTokなど滞在時間の長いサービス内でシームレスに購入できるようになったりするなど、購入者の体験もより良いものになっていくと思います。

DX:SMB向けソリューションとOMOソリューションに期待

「DX」はこの数年でも大きな注目を集めていますが、引き続き盛り上がりをみせると思います。特に、THE SEEDとして注目しているのはSMB向けのソリューションとOMOソリューションです。

SMB向けのソリューションは、toCサービスの体験が変化し続け、業務で使用する社内ツールの体験向上も必須になり、改善が加速していくと感じています。OMOソリューションは、人材確保が難しくなり、店舗への来店が減る中で、人が関与しなくてもできる業務のデジタル化、オンライン化は加速していくと思います。