Photo Illustration by Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images
Photo Illustration by Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images

世界最大規模のストリーミングサービス「Spotify」。最近ではタレントの叶姉妹を起用したテレビCMを放映し、音楽だけでなくポッドキャストも聴けるサービスとして打ち出している。

叶姉妹は2021年8月よりポッドキャストの「叶姉妹のファビュラスワールド」をSpotifyで独占配信。このように独自コンテンツの獲得に注力するSpotifyだが、米国では独占契約に1億ドル(約115億円)をつぎ込んだあるポッドキャストが発端となり、炎上騒動が発生した。

結果として、複数の大物アーティストらがSpotifyから全楽曲を引き上げた。加えて同社はプラットフォームとしてだけでなく、パブリッシャーとしての自覚も求められることとなった。Spotifyに一体何が起こったのか。

炎上騒動の発端は有名コメディアンのポッドキャスト

炎上騒動の発端となったのは、Spotifyが独占配信する、コメディアンのジョー・ローガン氏によるポッドキャスト「The Joe Rogan Experience(以下、JRE)」 だ。JREはローガン氏がゲストを招くトークショー。米国では最も有名なポッドキャストの1つだが、内容が偏向的との批判も多い。

特に批判が集中したのが、ウイルス学者のロバート・マローン氏をゲストに迎え、2021年12月(以下、すべて現地時間)に配信開始したエピソードだ。2022年1月には270人の医療従事者が、同エピソードに新型コロナウイルスに関する誤情報が含まれるとして署名入りのオープンレターを公開。Spotifyに誤情報に対応するルールの導入を求めた。