そんな人気シリーズも、ナンバリングタイトルとしてはいよいよ7作目。『グランツーリスモ6』からは8年以上、『グランツーリスモSPORT』からでも4年半が経過していることに加えて、高性能ゲーム機PlayStation 5で発売されるという期待感もあって、発売が待ち望まれていた。

発売直前に公開されたメタスコアも87点。まさに「満を持して」発売された『グランツーリスモ7』は発売直後の評判も良く、ファミ通.comの発表によると3月4日の発売日から4日間で13.7万本(ダウンロード版は含まず)という快調なスタートを切った。

ところが、である。3月18日に行われたアップデート1.08の配信が引き金となり、SNSでは一瞬にして不評コメントが噴出するようになったほか、ユーザースコアも急降下した。

日本人にはより生々しく感じる車両販売価格

このゲームの魅力は、発売時点で424台収録されたクルマを手に入れ、走らせること。つまりコレクション的な要素もある。ゲーム内におけるクルマの販売価格は現実の販売価格に近い金額になっているのもシミュレーターならでは。ゲーム内での通貨は「Cr(クレジット)」という単位だが、日本人であれば1Cr=1円という金額感であると、すぐに気付くだろう。

ゲーム内でのクルマの入手方法はレースで上位入賞することや、指定のクルマを入手する、上位ライセンスを取得するなどいくつかあるが、一番ポピュラーな方法はゲーム内通貨を増やし、ユーズドカー(中古車販売店)で購入するという方法だ。

マップ中央に配置されている「ユーズドカー」。頻繁に訪れることになるため、この配置も納得
マップ中央に配置されている「ユーズドカー」。頻繁に訪れることになるため、この配置も納得
ユーズドカーで販売されているクルマの一部
ユーズドカーで販売されているクルマの一部

たとえば写真左上の「ホンダ フィット」(130万Cr)は、現実世界では3月31日時点の中古車価格が135万円から(ただし、ゲーム内と同じ2014年モデルであれば70万円から購入可能)。

レースの優勝賞金は走行距離や難易度によっても変化するが、序盤でも参加できる簡単なレースであれば5分程度で75万Crが入手できる。つまり、2レース(10分)も走れば、日本車のコンパクトカーは買えてしまう。

もちろん、コンパクトカーや軽自動車のコンプリートを目指して買う人もいるだろう。しかし、このゲームを買うような人であれば、現実世界では乗れないような、いわゆるスーパーカーに乗りたいと考える人の方が圧倒的に多いに違いない。何を隠そう、この記事の著者自身もそうだ。

目についた高額車両のひとつ、「フェラーリF50」の金額を調べてみると3億3000万Cr。前述したレースの賞金75万円で支払うためには440回優勝すればいい。1レース5分として計算すると、ひたすらレースを37時間続ければフェラーリF50が手に入る。