このような採用市場のニーズを受け、ファインディでは外国人エンジニアと企業をマッチングするFindy Globalの提供を始めた。

Findy Global
 

ファインディは同サービスを通じて国内外に住む外国人エンジニアと日本企業をマッチングする計画。まずはエンジニア向けに、GitHubの情報を用いてスキルを診断する仕組みを2022年1月より先行して運営してきた。

山田氏によると、すでにインドやバングラデシュ、インドネシアなどアジア圏を中心に累計登録ユーザー数は6000名を超えており、今後スキル偏差値(海外版ではSkill Score)を活用しながら日本企業と海外エンジニアをつないでいくという。

優秀なエンジニアとの出会いから、入社後の活躍までを支援

ファインディとしては引き続き、エンジニア採用支援サービスとエンジニア組織の生産性向上サービスの2本柱で事業を拡大していく方針だ。

開発チームの生産性を改善することで「採用人数を少し減らしても開発の目標に到達できるようになる」(山田氏)のはもちろんだが、エンジニアにとっては、生産性が高い組織の方がより多くの時間を“本質的な開発”に使える可能性が高い。したがって、生産性の向上は新しいメンバーを採用する上でもプラスに働くのだという。

実際に、採用面談の際にエンジニアからリリース頻度やその計測方法など、開発の生産性に関する質問を受ける企業が増えているのだそう。企業側としても自社の取り組みをブログなどで積極的に発信しているところも多く、ファインディでもゆくゆくは各企業が自社のスコアを採用サービスなどでもアピールできるようにしていく考えだ。

Findy Teamsは“Google アナリティクス”のようなかたちで、開発チームの生産性に関する状態を見える化する
Findy Teamsは“Google アナリティクス”のようなかたちで、開発チームの生産性に関する状態を見える化する

「単に『海外の優秀なエンジニアと出会えるチャンスがありますよ』というだけでなく、Findy Teamsを通じて入社後の活躍を可視化したり、サポートするような取り組みも進めていきたいと考えています。開発者体験につながる文化や基盤への投資が進めば、プロダクトの進化のスピード自体も速くなっていくと思うんです」(山田氏)

ファインディとしても、前回の資金調達を実施した2020年の上半期はコロナ禍で一時的に採用を控える企業も出て苦戦を強いられた。一方で2021年は再び採用サービスが成長軌道に乗るとともに、Findy Teamsという新たな武器を手にすることができたという。

「ソフトウェアやそれを支えるエンジニアは、今後の日本の未来を占う1つの鍵になると思っています。ファインディとしてはこの分野で挑戦する企業やエンジニアの活躍を後押ししていきたい。少しずつ実績が出始めて、前回の調達時と比べても目標に近づけたのかなという感覚もあります。ようやく事業の基盤も整ってきたので、自分たち自身もグローバルに挑戦していきます」(山田氏)