CREW Expressは、まずクライアント企業各社に専属のコンサルティングチームをアサインし、需要予想や配達パートナー供給の設計、適切な商圏や配送距離の設定、調理時間と到着予測時間の管理など、ラストワンマイル配送の仕組みを構築する。

そこから、自転車・バイク・カーゴ(軽四輪)といったラストワンマイル配送に必要な配達パートナーの全国1万台以上のネットワークを活用し、配達パートナーを提供するほか、リアルタイムの位置情報をもとにしたAIによる配送管理システムを提供している。

CREW Expressの配達パートナーは全国に1万台以上いる
CREW Expressの配達パートナーは全国に1万台以上いる

「従来のフードデリバリーサービスは販促キャンペーンと収⼊が連動しているほか、ピークタイム・オフタイムがあるため、収入が不安定な側面があります。一方、CREW Expressはシフト制(1時間ごとの⽀払い)でオフタイムにも収⼊が発⽣するほか、(販促キャンペーンなどもなく)稼働スケジュールが安定しています」(吉兼氏)

そのため、配達パートナーのCAC(顧客獲得単価)相場は従来のフードデリバリーサービスで3万円程度かかることが多いが、CREW Expressは1万円以下となっているという。

大手百貨店の「松屋」とも提携、フードデリバリー以外にも拡大

全国1万台以上の配達パートナーのネットワークを活用することで、当初クライアントの多くはフードデリバリーが中心だったが、最近は大手百貨店の「松屋」の当日配送、モバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」のモバイルバッテリーの郊外での回収から都市部への配送などにも活用が進んでいる。

5月11日には、プロダクト開発と組織体制の強化を目的にAzitはLogistics Innovation Fund、coconala Skill Partners、90sを引受先とした第三者割当増資により、3.5億円の資金調達を実施した。今後、事業拡大にアクセルを踏んでいくという。

「CREW Expressは都内⼀部エリアから開始し、東京全域、全国規模といったように規模を広げていくことができる。エンタープライズ向けにすることで、高ARPU(1ユーザーあたりの平均的売り上げ)を実現できています。今後はクライアントをたくさん増やすというよりは1社あたりの規模を広げていき、着実に売上をあげていければと思います」(吉兼氏)