送られてくる商品のイメージ。電子レンジで数分間温めるだけで調理が完了する
送られてくる商品のイメージ。電子レンジで数分間温めるだけで調理が完了する

ローンチの段階では現役ミシュランシェフの田村亮介氏や三ツ星フレンチ出身の米澤文雄氏などが参画しており、合計で11種類のメニューを提供する。今後は予約困難と言われる東京都内のベトナム料理店のシェフや人気イタリアンレストランのオーナーシェフなどともコラボし、メニューを拡充していく計画だ。

ノンピ取締役副社長の上形秀一郎氏によると、正式ローンチに先がけて実施したユーザーテストでは、特に共働き世帯の母親や1人暮らしの社会人などの反応が良かったという。

「冷凍のものを出すことに対して、日本ではまだ『なんとなくの気まずさ』が残っている部分があるので、そのような考え方を変えられるようなサービスにしたいと考えています。忙しいお母さんが『何か食べるものある?』と聞かれたときに、『nonpiがあるよ』と胸を張って答えられるような料理を届けていきたい。そのような背景からnonpi A.R.U.というサービス名にしました。時短の文脈だけでなく、美味しい食事によってコミュニケーションや食事の時間の質を上げていくという考えはこれまでのサービスにも共通するものです」(上形氏)

都市部ではUber Eatsを筆頭にフードデリバリーなどの選択肢も充実してきているが、nonpi A.R.U.は電子レンジで数分間温めるだけで食べられるため、“リモートワークの合間のランチ”としても使いやすい。

また「ミシュランシェフの料理は基本的にフードデリバリーでは注文できないことが多かったため、その料理を全国や世界中に届けられるのがフローズンミールのメリット 」(上形氏)だという。

「これまでトップシェフは冷凍に対して懐疑的な人が多かったのですが、今回参画してくれたシェフはこの取り組みに可能性を感じてくれている人ばかりです。コロナがきっかけでお店が閉まったことで時間ができ、試しに冷凍にも挑戦してみたことで『これはいける』と思ってくれました。加えて日本はフードロス大国ということもあり、サステナブルな観点から冷凍に興味を持ってもらえる方も多いです」(上形氏)

「nonpi foodbox」は約5000社が活用、累計で35万食以上を提供

ノンピはもともとカフェテリアや社食の運営・プロデュースなどのフードソリューション事業と法人向けのケータリングECを主軸に展開していたが、コロナ禍でケータリングECの需要が消滅。そこで新たな事業の柱を確立するべく、2020年8月に宅配フードボックスのnonpi foodboxを立ち上げた。