「コンセプトは『ONEのオンライン版』をどうやって作っていくかです。特に昨年の下半期でONEがものすごく伸びたこともあり、ONEを強化していくことに集中しようと決めました。その中で課題になっていたのが、(レシート買取を通じて)オフラインの購買データはある程度取れる仕組みが作れていたものの、オンラインのデータをどのように集めていくかということです。ONEモールはその解の1つになると考えています」

WED代表取締役CEOの山内奏人氏はONEモールをローンチした背景についてこう話す。

WED代表取締役CEOの山内奏人氏
WED代表取締役CEOの山内奏人氏

冒頭で触れた通り現在ONEのダウンロード数は累計で400万件を超えており、買い取ったレシートの枚数も4億枚を突破した。事業が成長するほど企業にとって「販促手段」としての価値も高まる。

WEDではONE上に特定商品のレシートをアップロードするとキャッシュバックされる「マストバイ」をはじめ、これまで培ってきたデータやユーザーコミュニティを軸に企業向けのソリューションを複数展開。食品メーカーや飲料メーカーを中心に顧客を増やしており、中には「年間で数億円単位の予算」をONEに投じるメーカーも生まれているという。

今までONEで集めてきたオフラインの購買データにオンラインのデータが加われば、O2OやOMOの文脈で複数のチャネルを横断した分析などもできるようになる。「オンラインとオフラインどちらかの購買データは持っていても、その両方を同じIDに紐づいた状態でしっかりと集めている企業はほとんどいない」(山内氏)ため、ONEモールはWEDにとっても大きな意味を持つサービスになるという。

今後WEDではONEを「レシート買取アプリ」から「買い物アプリ」へと進化させていく方針。1月にはそれに向けてシリーズCラウンドでアカツキから資金調達も実施した。今回のONEモールのローンチを皮切りに、複数のアプローチから改良を進めていく計画だ。