目指すは「プロダクト開発者のためのCRM」

フライルでは今回調達した資金を用いて組織体制を拡充し、顧客フィードバックの収集や分析を自動化する機能を中心に機能拡充を進めていく方針。狙っているのは、まだ決定版と言えるようなツールが存在しない「プロダクト開発者のためのCRM」だ。

「セールスならSalesforce、マーケティングならHubSpotといったように代表的なCRMが存在する中で、プロダクト開発を良くするために開発者が顧客を理解する場所は限られているのが現状です。そのようなプロダクト開発者のためのCRMというカテゴリを新たに創造していきたいと考えています」(財部氏)

財部氏によるとハードウェアを扱う企業や大手飲食店など、非IT系の企業の活用事例や問い合わせも少しずつ生まれてきているとのこと。必ずしも「プロダクトマネージャー」という名称ではなかったとしても、あらゆる業界で同様の業務や課題を抱えている部門は存在するため、IT業界以外の顧客にも活用されるプラットフォームを目指すという。

さまざまな業界でITの活用やソフトウェ化が進んでいることに伴い、プロダクトマネージャーのニーズが増している。またカスタマーサクセスやプロジェクトマネジメントといった周辺領域の市場が伸びてきていることもあり、プロダクトマネージャーを支える「プロダクトマネジメント」領域は、これからさらなる成長が見込まれる分野だ。

プロダクトマネジメントの領域は今後さらに市場の拡大が見込まれる。グローバルでもユニコーンや急成長中のスタートアップがいくつも生まれてきている状況だ
プロダクトマネジメントの領域は今後さらに市場の拡大が見込まれる。グローバルでもユニコーンや急成長中のスタートアップがいくつも生まれてきている状況だ

この領域のプレーヤーとしては米国のProductPlanやLaunchNotes、チェコ発のユニコーン企業Productboardなどが事業を拡大している状況。フライルとしても将来的なグローバル展開も視野に入れながら、事業展開を加速していきたいという。