危険な状態をAIで検知、マシンの利用率やリアルタイムの混雑状況も可視化

Optfitではジムに設置したカメラで取得した映像を活用して複数のソリューションを展開している
「GYMDX」ではジムに設置したカメラで取得した映像を活用した複数のソリューションを展開している

Opt Fitではジム内に設置した複数のカメラで取得した映像を用いて、利用者の危険な状況を自動で検知する技術を保有している。

ジムにおける実際の危険検知の流れはこうだ。システムが危険を検知すると有人の施設であれば施設内のスタッフに、無人施設であればOpt Fitの監視センターに通知が届く。危険を検知したシーンに関する10秒間の映像が自動で生成されるため、まずはそれを見て会員の状態を確かめる。10秒間の映像だけではわからない場合は、リアルタイムの映像に切り替えることも可能だ。

最終的に危険な状態だと判断した場合にはジムのスタッフが直接確認するか、監視代行を請け負っているOpt Fitのスタッフが遠隔から救急車などを手配する。

上述した通り、近年は夜間などにスタッフがいない24時間型のジムも増えてきている。Opt Fit代表取締役CEOの渡邉昂希氏によると通常は警備システムやセキュリティシステムを導入している施設が多いものの、誰かがボタンを押すことで通報される仕組みになっているため「1人でトレーニングをしている際などは、危険な状態に陥っても気づいてもらえない可能性がある」という。

実際に2021年には24時間型のジムでスタッフがいない時間帯に利用者がバーベルに首を挟まれ、意識不明になるような事態も発生した。「ジムの効率的な運営と安全面の担保の両立」は大きな課題の1つだ。

「Opt Fitのシステムの場合は(利用者が)自分でボタンを押さなくても、AIが危険な状態を検知します。フィットネス施設だからこそ発生しうる危険から利用者を守っていく仕組みが1番のストロングポイント。まずは安全安心なジムライフを送れる支援をすることが最初のミッションです」(渡邉氏)

Opt Fitのシステムは24時間型のジムに加えて有人型の施設でも導入が進んでいる。従来、専門の監視スタッフを雇っていた施設ではコスト削減を見込めるほか、会員のサポートなどにスタッフの時間を使えるようになるというメリットもあるそうだ。

取得したデータを元にマシンごとの利用状況を可視化する仕組みなども提供
取得したデータを元にマシンごとの利用状況を可視化する仕組みなども提供

またカメラから取得した映像データは危険察知以外の手段にも活かせる。たとえばOpt Fitではマシンごとの利用率を細かく分析できる仕組みをジム向けに提供。「実際にニーズのあるエリアやマシンが何かをロジカルに判断できる」(渡邉氏)ことで、新規出店の際などもデータに基づいた意思決定ができる。

人の動向をAIで検知する技術を活用し、ジムの利用者向けに「エリアやマシンごとの混雑状況」をリアルタイムで可視化する仕組みも作った。