将来的には「Amazon Goのような世界観のフィットネス施設」の実現へ

Opt Fitの創業メンバー。中央が代表取締役CEOの渡邉昂希氏
Opt Fitの創業メンバー。中央が代表取締役CEOの渡邉昂希氏

スタートアップを立ち上げるという観点では、Opt Fitは渡邉氏にとって2度目の挑戦になる。

渡邉氏は4歳から大学4年生まで続けた水泳競技を引退後、新卒で入社したベーシックでメディア事業やSaaS事業に携わってきた。最初の起業はその経験を掛け合わせた「スイミングスクール向けのメディア事業」。その後同事業を上場企業へ売却し、2020年3月にOpt Fitを立ち上げた。

「(メディア事業では)スイミングスクール施設を運営する方々のお話をよく伺っていたのですが、その施設の多くが複合型でフィットネス施設も運営していたため、間接的にフィットネスジムに関する議論を頻繁にしていたんです。そこで監視業務の課題や何十年も同じ運営方法のままでデータを有効活用できていないといった課題を聞き、『フィットネスジムをより革新的な施設へとリメイクできるような事業ができないか』と考えるようになりました」(渡邉氏)

約30施設にヒアリングをしていた中で課題が大きく、これといった代替手段も見つからなかったのが監視の領域だ。愛知県のスタートアップコミュニティをきっかけに出会ったトヨタシステムズ出身のエンジニア・荒川準也氏(取締役CTO)や森田尚也氏(取締役)と共同創業するかたちで、監視領域の課題解決につながるサービス作りを始めた。

今後は国内のフィットネス施設への導入を増やしていきながら、並行してプロダクトの機能拡張も進めていく方針。利用者がジムに通うきっかけになるような機能の開発にも力を入れていきたいという。

「専用のアプリを登録してジムでトレーニングをするだけで、自動でその日のトレーニング内容がアプリに蓄積され、自分の理想に合わせた提案をしてもらえる。将来的には『Amazon Goのような世界観のフィットネス施設』を後付けでも実現できるような仕組みを作れないかと考えています。まずは今回調達した資金も活用しながら研究開発に取り組み、そこにつながるような機能を模索していきたいです」(渡邉氏)