加えて、Netflixではユーザー間での不正なアカウント共有も問題となっていたが、これについても具体策を講じていく。8月からは中南米5カ国で、アカウント共有に追加料金を請求する新機能をテストしてきたが、2023年初頭より、これを全世界で正式に導入する見込みだ。またこれに先駆けて、アカウントを共有してきた家族などのユーザーが自分のアカウントを新設する際に、視聴履歴などの設定を引き継ぎやすくする「プロフィールの移行」機能を10月18日に全世界に提供開始している。

Netflixではユーザーのエンゲージメントを高めることを目的に、モバイルゲームの開発・配信にも注力してきている。これまでに、ストレンジャー・シングスなど、自社配信のヒットドラマなどを題材としたゲームを配信してきた。

「プレーする会員は全体の1%未満」とする調査結果からも分かるとおり、モバイルゲーム事業はまだ日の目を見ていない段階ではある。だが、Netflixは現在配信する35タイトルに加えて、55作品を追加で開発する予定を明かしており、強気な姿勢を貫いている。

同社ではさらに一歩踏み込み、クラウドゲーム領域への参入も図っているようだ。クラウドゲームについては、Googleが9月にクラウドゲームサービス「Stadia」を2023年1月に終了すると発表したことも記憶に新しい。しかし、Netflixでゲーム領域を担当するバイスプレジデントのマイク・ベルデュー氏は「クラウドゲームの提供を真剣に検討している」と明言した。

ベルデュー氏は米国時間10月18日、米スタートアップメディア・TechCrunchが主催のカンファレンス「TechCrunch Disrupt 2022」に登壇。クラウドゲームについて「モバイルゲームの時と同じように、小さく、謙虚に、思慮深く取り組むつもりですが、これは私たちが取るべきステップだと考えています」と述べた。

ベルデュー氏はクラウドゲーム事業の詳細については多くを語らなかったが、カリフォルニア州南部に新たなスタジオを開設し、ゲーム開発体制を強化する方針を明らかにしている。