三井氏にとっては今回が2社目の起業だ。1社目は「失敗に終わった」(三井氏)が、再挑戦するべく2019年にCollaboGate Japanを立ち上げた。2021年にベータ版をローンチした当初は「IoTはユースケースの1つ」程度に考えてものの、特にメーカーからの引き合いが多く、この領域の課題や新たな解決策へのニーズを感じ、分散型ID技術を軸としたIoT×セキュリティ分野で事業を展開してきた。

グローバルで見てもデータインフラやサイバーセキュリティはSnowflake、Datadog、Zscaler、CrowdStrikeなど急成長を遂げた企業がいくつも生まれている領域だ。マーケットのポテンシャルは大きい。

「(今後IoTデバイス数がさらに拡大することから)巨大な市場がある一方で、IoTに特化したソリューションというのはまだまだ珍しい。日本はものづくり大国であり、アジアには主要な製造メーカーの拠点がいくつもあるため、日本からグローバルで挑戦する事業としても相性が良いと考えています」(三井氏)

現在は4名の少数精鋭のチームだが、今後は組織体制を強化しながら事業を加速させていく計画。そのための資金としてCollaboGate Japanでは伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、DNX Ventures、ラックを引受先としたJ-KISS型新株予約権の発行により総額で2.3億円を調達した。