グロービス・キャピタル・パートナーズ(以下GCP)は2023年4月25日、1996年の設立以来7つ目となるグロービス7号ファンドの募集を合計727億円にて完了したことを発表した。2019年に同社が組成した6号ファンド(400億円)の金額を大幅に上回り、過去最大規模。パートナーは堀義人氏、今野穣氏、高宮慎一氏、福島智史氏、湯浅エムレ秀和氏の5名が務める。
投資領域として掲げているのは、「日本発で世界一を狙える領域」と「国内巨大市場の寡占化を狙えるような領域」の2つ。日本発で世界一を狙える領域としてはエンターテインメントやコミュニティ、Web3を挙げる。一方、国内巨大市場の寡占化を狙えるような領域としては、自動車、金融、建設、不動産、医療など国内で10兆円を超える市場を挙げ、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)などによってディスラプション(破壊的な革新)を起こそうとするスタートアップに投資していく。
GCPの1号から7号までのファンドの運用総額は累計1800億円を超え、190社を超える投資先のうち、45社が上場、25社がM&Aによるイグジットを果たしている。1996年の創業から一貫して、市場の好況不況を問わず、資金のみならず経営ノウハウ・ネットワーク・人材などをスタートアップに供給してきた。これまでにアイスタイル、メルカリ、メドレー、ユーザベース、直近ではビジョナルなど多数の有力上場企業を輩出してきた。
7号ファンドでは、前ファンドで掲げた“First to Last”の投資方針を維持し、シードからレイターステージまで、グロービス・グループの国内外のネットワークをフルに活用した一気通貫のサポートを実施するとしている。
その方針に合わせ、GCPは近年、3つの支援を強化。1つめはスタートアップ企業の育成とシード投資。その一環としてアクセラレータープログラム「G-STARTUP」を2019年に創設。現在6期目で累計173社を支援している。2つ目は投資先企業の経営サポートの強化。2020年にGCP X(組織構築支援、CXOレイヤーの採用支援などを中心としたバリューアッドの専門チーム)を創設し、独自の経営サポートを実施している。3つ目は投資先企業のグローバル化推進の支援。その一環として、2023年4月にはGCPのアメリカ拠点をサンフランシスコに開設。新設オフィスは、投資先企業のグローバル展開拠点としても活用できる。