当面は大企業をメインターゲットに据えてプロダクトの機能拡充と顧客獲得に注力するが、ゆくゆくは顧客の幅や対象を広げる方針。たとえばシステム開発企業がチュートリアルのような位置付けでテックタッチを活用して顧客向けの操作ガイドを作成する事例もある。システムのユーザーとなる企業だけでなく、作り手側のグロースを支援する方向でも事業を拡大できるだろう。
また今回調達した資金も活用しながら別の取り組みに向けた準備も進める。井無田氏が次のステップとして掲げるのが「DXの定量化」だ。
社内で稼働しているシステムが「実際にどれくらい使われているのか」「あまり使われていないのであればどこに原因があるのか」といったデータを、導入企業の同意を得ながら解析する機能を開発する予定だという。
「利用状況がわかれば企業はROIを評価しやすくなるし、PDCAも回しやすくなる。たとえば上手く使いこなせていないシステムについてはテックタッチを活用した運用のサポートなども提案できます」
「事例やデータが蓄積されてくれば、どのツールが1番生産性向上に効いているのか、どんなガイドを作っておくと社内の利用率が上がるのかといった踏み込んだアドバイスも可能になるでしょう。将来的には業務プロセスを可視化する機能を入れた上で、人の判断や入力が必要ない工程を一部自動化できるような仕組みも実現したいと考えています」(井無田氏)