セブン銀行のATMからバンドルカードへのチャージは今でも可能だ。だが、今後は連携の幅を広げる。八巻氏は「『現金とデジタルマネーをどうつないでいくか』を今後も追求します。新プロダクトも含めて、色々とやっていきたい」と語る。 

資本業務提携の締結以降、フリークアウト・ホールディングスからはデジタルマーケティングにおける支援を受けてきた。今後の連携について、八巻氏は「フリークアウト・ホールディングスはマーケティングの会社です。さまざまなデータを持っているので、我々のデータと連携をすることで、新しい与信の仕組みを作ることが可能なのではないかと考えています。もちろん、個人情報保護の観点から、『どこまでできるか』には慎重になる必要があります」と述べる。

フリークアウト・ホールディングスは伊藤忠商事の関連会社だ。八巻氏は「伊藤忠商事はファミリーマートやポール・スミスといったブランドを持っています。そことの連携は視野にあります」と話す。

カンムは2011年1月に設立。セブン銀行からの出資を受け、同社の累計調達額は44.3億円となった。これまでに、ベンチャーキャピタルのEast Ventures、ANRI、iSGSインベストメントワークス、クロノスファンド(現アントレプレナー)、アドウェイズ、TLM。そして有安伸宏氏と梅田裕真氏を含む5名の個人投資家や創業者から出資を受けてきた。

BtoC特化のフィンテック企業として国内初の上場を目指す

コロナ禍で利用が加速するバンドルカード。カンムでは前述のとおり、バンドルカードの利用者を伸ばしつつ、新プロダクトを開発。そして金融プラットフォームを構築していく。八巻氏は、「あくまでもBtoCのフィンテック事業にこだわり、数年以内の上場を目指す」と意気込む。

「BtoCのフィンテック事業に特化した企業の上場はまだ達成されていないと認識しています。我々は日本初の事例になることを目指します」(八巻氏)