「すると、ユーザーのみなさんはTimeRexで日程調整した後、ZoomのURLを個別に送付する手間が発生しているとわかったんです。そこで、日程調整と同時にZoomのURL発行、送付をできるようにしました。おかげで、9月にはZoom連携を活用したミーティングの回数は5000回以上を記録しています」(北野氏)

売り上げ「85%ダウン」の危機を乗り越えて

利用者は右肩上がりで伸ばし続けている調整さんとTimeRexだが、両方とも基本的には無料で使える(TimeRexには月額750円のベーシックプラン、月額1250円のプレミアムプランがある)。マネタイズはどう考えているのだろうか。

「調整さん」に惚れ込み、大学中退して起業──日程調整で“人生が変わった”男の歩み

「両方とも、まずは『日程調整をより簡単にできる体験』を多くの方々に広げなければなりません。1回でも気軽に使ってもらうために、基本的には無料としています。

調整さんに関しては、日程調整ページにあるネット広告でマネタイズしています。TimeRexの有料版は、カヤックや才流(サイル)などが導入しており、ちょっとした日付間違いが信用問題につながるコンサルティング業で重宝いただいています」(北野氏)

そして、イベント関連に紐づくサービスで避けられないのが新型コロナウイルスによる影響だ。北野氏によると、緊急事態宣言の発令後、事業の柱である調整さんの売上は最大85%ダウンした。調整さん、TimeRexともに日程調整系サービスで事業を拡大させていくうえで、今後どのような展開を考えているのか。

「日程調整は、人と人が会って何かをする際の手前にあるもの。調整さんもTimeRexも日程調整サービスですが、多くのサービスと連携することで、幅広い範囲の業務効率化ができると思っています。今後は、日程調整を入り口に、さまざまな効率化を手掛けていきたいですね。とは言え、調整さんが最も多く使われるのは忘年会シーズン。その行方に早くも怯えているのですが……(笑)。そこはもう割り切って日々の改修を行いつつ、あらゆる事態にも備えていきたいと思います」(北野)

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