新型コロナウイルスによる感染拡大で、従来の勤務スタイルを変えざるを得なくなった職種は多い。なかでも、最も頭を抱えているのが、製造や物流、小売、飲食業などで働くいわゆる“現場”の人々だ。
重要なノウハウが、働く人々や機械の動きに凝縮されている現場では、デジタルへの移行(DX)は難しい。現場では常に人手不足に悩まされているだけではなく、近年では外国人労働者の増加により「日本語が通じない問題」にも直面しているという。
そんな環境下で立ち上がったのが、スタートアップのピナクルズが提供する現場向けクラウド型動画教育プラットフォーム「tebiki(テビキ)」だ。
tebikiは、現場のOJT(現場教育)をスマホで撮影し、ブラウザ上で簡単にシーン削除や追加、図形挿入などが行える。また、音声入力で字幕を自動生成でき、さらに自動翻訳も可能。動画閲覧データの解析機能も備えており、誰がどこまで習熟したのかを可視化。現場教育の進捗状況をリアルタイムで確認できるようになっている。
そんなtebikiが正式リリースされたのは、2019年3月(ベータ版は2018年3月リリース)。運営元であるピナクルズは、グロービス・キャピタル・パートナーズからの資金調達を実施した。同社はこれまでに有安伸宏氏、辻庸介氏、赤坂優氏らエンジェル投資家たちの出資を含め、合計3億円のシードラウンドでの資金調達を実施したことになる。