ビットコインが“仮想通貨(暗号資産)バブル”を彷彿とさせる値上がりを見せ、再び注目を集めている。
2020年10月10日に120万円を突破したかと思うとそこからさらに上昇を続け、11月24日には一時198万円を突破した。最後に190万円を突破したのは、2018年1月8日で実に2年5ヶ月ぶりの高値だ(1日あたりの平均価格、コインチェック調べ)。
しかしながら今回の価格高騰は、バブル当時とは異なる冷静さを保った状況を見せる。一体、これまでの状況とは何が異なるのか──。
これまで業界を第一線で見てきた者としては2020年に入ってから、特に暗号資産の価値に対する評価が、投機から資産へと変化したように思う。その変化を象徴するような2020年の出来事を紹介していく。
「デジタル・ゴールド」になったビットコイン
最近、ビットコインが「デジタル・ゴールド」と呼ばれる機会が増えてきた。ビットコインは、特定の国や地域にも紐づかないアセットクラスである点や、発行上限がある点などの共通点から、昔から一部の層ではゴールド(金)と似ていると言われてきた。しかしながら、バブル期には価格が激しく乱高下していたため、一般に広がることがなく忘れ去られていた。