DAIZの植物肉を採用したフレッシュネスバーガーのハンバーガー
DAIZの植物肉を採用したフレッシュネスバーガーのハンバーガー

熊本発のスタートアップで大豆由来の植物肉を開発し製造するDAIZ。これまでにDIAMOND SIGNALとの取材でも海外展開を宣言してきた同社は5月25日、米国のマサチューセッツ州・ボストンに子会社のDAIZ USAを設立したことを明かした。

DAIZは2015年設立のスタートアップで、製造する植物肉「ミラクルミート」はハンバーガーチェーンのフレッシュネスバーガーや、イオン、ライフといったスーパーが展開する商品に採用されている。

これまでは国内を中心に展開してきたが、実は2年ほど前よりジェトロ(日本貿易振興機構)、そして資本業務提携を提携している丸紅の協力のもと、米国における植物肉市場の市場調査を行ってきた。結果、5月1日付けでDAIZ USAを設立するに至った。DAIZ代表取締役社長の井出剛氏がDAIZ USAのCEOを兼任する。

米国の植物肉市場にはスタートアップや食品メーカーの新規参入が相次いでいる。だがDAIZが言うには、そうした企業が製造する植物肉原料の多くは、搾油後の大豆かすやデンプン抽出後のえんどう豆などが使用されるため、風味や食感に違和感が残り、加工コストもかさむという。一方、DAIZが製造する原料は、特許技術を活用することで食肉の風味や食感を低コストで再現していることから、北米市場においても十分な競争優位性があるとしている。

DAIZは今後、植物肉原料のサプライヤーとして、Beyond MeatやImpossible Foodsといった植物肉メーカーと協業関係になることを目指す。そのため、2022年中をめどに米国にも植物肉工場を設立する。また、中国や東南アジアでの事業展開へ向けた準備も並行して進めていく。