当時は僕自身も放浪していましたし、現地で知り合った駐在員の方々や外国の友達が帰国してしまうことがたびたびあって。遠方の人たちと簡単につながれるツールが必要だったんです。そこでFacebookに登録してみたら誰とでもどんどん連絡が取れるし、相手がどんな人かを調べることもできるし、SNSってすごい便利だなと実感しました。

海外放浪中の緒方氏
海外放浪中の緒方氏。オーストラリアにて

──Facebookがコミュニケーションインフラになり始めている頃ですね。

そうですね。Facebookでこと足りてしまうので、初対面の人とEメールアドレスを交換するということがなくなりました。同じ頃、Twitterも使い始めたんですが、当初は「見る専」って感じで。その後も、Voicyの起業準備に入る2015年くらいまでは、フォロワーは500人〜600人程度でしたね。その頃はまだ、SNSの世界をうまく使おうなんて考えたこともなかったです。

──その後、ニューヨークの監査法人Ernst & Young社を経て、日本のトーマツベンチャーサポート(以下TVS)に入社されています。そのきっかけがFacebookだったというのは本当ですか?

本当です。僕はあまりまともな転職活動をしたことがなくて(笑)。あるとき、僕のFacebookのニュースフィードにTVS代表取締役社長の斎藤祐馬さんの投稿が流れてきたんです。それで、「面白そうなことしてますね」とメールしたら、「そっちも面白そうなことしてますね」と返事をもらって(笑)。「帰国したら一緒にご飯食べましょう」と誘っていただいたのが転職のきっかけになりました。

──SNSをアクティブなコミュニケーションツールとして使いこなしてますね。Voicyを立ち上げたのが 2016年ですが、それからSNSの使い方は変わりましたか?

完全に変わりましたね。起業するには、大勢の人を自分の事業に巻き込んでいく必要があります。そのためにはまず、自分が描いている世界をきちんと相手に届けなければなりません。本格的に起業準備を始めた2015年ごろから戦略的にSNSを使う方向にシフトしました。

この頃には、特にTwitterがフォロワー数をあげてリツイートで広がっていく爆発的な力があることがわかっていましたので。Voicyで情報発信をしつつ、Twitter経由で投稿を広めるということをしました。これはいまも行っています。Voicyについて、どれだけ多くの人がTwitter上でコミュニケーションしてくれるか。本当にTwitterは、ほかに類を見ないほど巨大な拡散力を持ったプラットフォームだと思います。