Voicy創業当初の緒方氏ら

バズる必要はない、ヘルシーにやらなければ残らない

──Twitterはその拡散力が時に炎上につながるなど弊害となることもあります。なにを意識してTwitterを利用していますか。

発信する内容に過度な調味料を入れないよう、すごく気をつけていますね。Twitter上には「トータル何百万売り上げた」とか「何千件の成功事例がある」とか、派手なプロフィールの人があふれかえっています。でもそういうのは、最初は興味をもたれやすいかもしれませんが、すぐに飽きられてしまうんですよ。たまに見るのは面白いけれど、毎日見るのはうざったいな、と消費されて終わってしまう。

僕はどんなサービスも、ヘルシーにやってるものじゃないと最後に残らないと思ってるんです。だから、初めにめちゃくちゃバズる必要はなくって。みんなが嫌だと思わなくて「なんとなく好き」っていう状態をしっかり維持していくことを、すごく意識しています。

それに今は、他人に対して「Give」したいと考えている方の方が圧倒的に多いと感じます。だからSNSの世界でも、自分の利益のためだけに動いている人はあんまり好かれない。他人や世の中のためになることを考えて、しかもそれを自ら楽しそうにやっている人のところに自然と人々が集まってくると考えています。

──noteも使っていますが、緒方さんにとってはどのような位置づけになるんですか。

自分の制作物をストックする場所ととらえています。noteに投稿している文章は、言葉選びや文章構成など、どうやって見せるかをしっかり考えてつくった、言わば僕の作品たち。実はこれらの文章が、のちにVoicyの仲間集めに役立つときがあるんです。

シリーズで書いている『声の履歴書』(編集部注:Voicyのこれまでの歩みについて緒方氏がnoteにつづる連載)では、Voicyの歴史を記録として残していまして。Vol.56(2021年6月11日時点)まで書いていますが、これを読んでくれた人たちがVoicyと僕の人となりを感じて、Voicyに入りたいと言ってやってきてくれる。社外の方々にVoicyが生き生きと活動しているさまを知っていただきたいときも、この文章を読んでもらうと理解していただきやすいですね。

文字を使った“A面”で情報を伝え、音声の“B面”で奥行きを伝える

──『声の履歴書』はnoteとVoicyで連動した企画ですね。これは、緒方さんがVoicyで話したことを、あとでnote用に文字化しているんでしょうか。よく経営者の方はそのようにして記事を作成されると聞きますが。