Antwayの自社キッチン
Antwayの自社キッチン

つくりおき.jpが競合として考えるのは、材料とレシピをまとめたミールキットを提供するオイシックスの「Kit Oisix」や、出張シェフが自宅で料理を作り置きしてくれるシェアダインの「シェアダイン」といったサービスだ。小川氏はこれらのサービスと比較して、調理の手間がないことやシェフを自宅に招くというストレスがかからないことが強みだと語る。最近では、冷凍そうざいのサブスクリプションサービスなどもあるが、つくりおき.jpのそうざいは冷蔵保存のため、冷凍と比較して素材の風味や食感を生かすことができると語る。

ミッションは「あらゆる家庭から義務をなくす」

Antwayではサービス提供エリアの拡大を目指す。キッチンを増設することで、東京23区から千葉県、神奈川県、埼玉県まで進出する予定だ(時期は未定)。また、「あらゆる家庭から義務をなくす」というミッションのもと、新プロダクトの開発も進めるという。Antwayは創業よりこのミッションを掲げて、つくりおき.jpを展開してきた。同社は2019年、ニッセイ・キャピタルのアクセラレーションプログラム「50M」に参加。つくりおき.jpはそこで誕生したサービスだ。

「50Mに参加し、資金を得たことで視野が広がりました。人生をかけて解決したい課題を考えたところ、『機会を平等にしたい』という結論に至りました。僕は小学生の頃、熊本県に住んでいたのですが、小学校2年生で不登校になりました。田舎ですし、インターネットもありません。選択肢が何もなく、家に引きこもるしかありませんでした。その後は親の転勤で埼玉県に引っ越すのですが、モノと人と情報に溢れていて、『チャンスが多いな』と衝撃を受けました」

「そのような経験から、環境、性別、年齢、国籍や文化圏等の環境要因によって阻害される機会に対して違和感を感じ、平等にすることで解決したいと思うようになりました。やるからには多くの人の機会の平等を達成したい。考えた結果、女性の機会の平等を達成することが近道だと考えたのです。特に家庭の中では女性の機会の平等が達成されていません。家事は女性がやるものだという考え方が今でもまかり通っていて、女性は時間もエネルギーも奪われてしまっています。つくりおき.jpはこのような課題を解決するための一手段です」(前島氏)