成長スピードをさらに加速させるべく、キャディは大型調達に踏み切った。キャディは8月24日、既存投資家のグロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL、DCM Ventures、グローバル・ブレインに加え、新たに海外投資家のDST Globalのパートナー陣やArena Holdings、Minerva Growth Partners、Tybourne Capital Managementなどを引受先として総額80.3億円の資金調達を実施した。今回の増資により、同社の累計調達額は99.3億円となった。

また、キャディによれば今回の資金調達に合わせて三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行から25億円の追加融資枠も確保しているという。調達した資金は、グローバルも含めた人材採用やCADDiの開発、そして新規事業開発の投資に充てる予定とのことだ。

「板金加工品」から「調達一式」を任せられる会社に変化

キャディの創業は2017年11月。当初は板金加工品の取り扱いをメインにスタートしたが、提携加工会社の増加に併せて対応領域も拡大。切削加工や機械加工、製缶加工にも対応しているほか、2020年9月には装置一式での組立対応を開始している。

また、同年12月には水処理や食品、化学、半導体などのプラント工場設備一式の調達支援も開始。2021年5月には静機器を中心とした設計支援もスタートさせたことで、プラント設備の設計から調達までワンストップでの支援を開始した。

「板金加工品から始まり、この1年半でプラント設備の設計から調達までを一式で取り組める規模感になりました。板金加工品や切削加工品を頼める会社から、調達一式を依頼できる会社になったことは、キャディにとって非常に大きな変化です」(加藤氏)

具体的には、昔は調達の担当者と月10万円ほどの取引をすることがメインだったが、調達一式を依頼できるようになったことで、今では経営者と直接話をし、それが取引につながる機会が増加。億単位の案件が毎月入るようになっているという。加藤氏は「経営者から『1〜3年ほどのスパンですべての調達をCADDiに任せたい』と言ってもらえるようになってきた」と語る。

「製造業において、調達にかかるコストは売上の約6割を占めています。ここのコストが5%下がれば、営業利益は倍になるくらいに調達コストの比重が大きい。だからこそキャディは、調達そのものを改革していく会社として認められました。今では装置・プラントメーカーからは『経営パートナー』として取引してもらえています」(加藤氏)