「サービスをリリースした頃と比較して、今では加工会社でのCADDiの認知度は(体感的に)相当上がっていて、CADDiのことを知らない比率が下がっています」(加藤氏)

また、加藤氏によれば提携加工会社の中には昨対比5倍の売り上げを記録している会社もあるとのこと。そうした実績も業界内で着実に認知されるようになり、今では加工会社を通じて新たな加工会社を紹介してもらえているという。

キャディ社員とパートナー加工会社のやり取り
キャディ社員とパートナー加工会社のやり取り

キャディの競合サービスとして、ミスミが展開するオンライン機械部品調達サービス「meviy」が挙げられるが、「meviyはどちらかと言えば設計者向けのサービス」(加藤氏)とのことで、“短納期”がウリとなっている。一方のCADDiは調達者にフォーカスを当てており、サービスとしての軸足が少し異なる。

「調達者は部品が早く届くことよりも、コストが削減でき、(納期も含めた)品質が安定していることが重要です。キャディのように調達一式を依頼でき、なおかつコストの削減、品質の安定化に取り組んでいる企業はグローバルも含めてほぼいないと思います」(加藤氏)

図面解析のシステムをパッケージソフトとして外部に販売

「“180兆円市場”と言われる製造業の中で、部品調達は120兆円の規模があると言われています。これだけ大きな市場規模の中で私たちのようなオンライン機械部品調達サービスのプレーヤーが市場で占めている割合はわずか0.1%にも満たない。まだまだ変えていける部分は多くあります」(加藤氏)

こう加藤氏が語るように、キャディは今回調達した約80億円の資金をもとに、まずはCADDiで対応する業界・製品の拡大、グローバル展開に取り組んでいく。

「業界に関して、すでにプラント系はスタートしていますが、それ以外にも航空宇宙や医療機器・発電機などの業界にもサービスを展開していければと思っています。そして、グローバル展開は今後1年以内にスタートさせる予定でいます」(加藤氏)

 

また、これまでの受発注のオペレーションを通じて、メーカーや加工会社から「キャディが社内に持つシステムをパッケージとして販売してほしい」という声が増えてきていることから、キャディは新規事業として図面解析などのシステムの販売も行っていく。現在、クローズドベータ版で提供を始めており、価値検証を行っているフェーズだという。

「部品の設計者は3DのCADデータでやり取りをしてるのですが、部品の調達者は紙や二次元のCADデータでやり取りをしている人の割合が99%です。従来、この解析は技術的に難しかったのですが、それをキャディは独自に開発しました。そこに対するニーズが強くなってきているので、プロダクトとして販売することにしました」(加藤氏)