発表会での話を聞いて実際に試したいと感じたのは、ビデオ撮影用の「シネマティックモード」だ。観客の視線を誘導するために撮影監督が行うピント調節の判断など、映画撮影技法の研究成果をアルゴリズムに反映。映画レベルの映像が簡単に作れるという。一度、撮影を始めると、被写体の動きにあわせ自動的・リアルタイムにピント調節が行われ、被写体がフレームインしそうなときにも、そこに自動でピントが合うとのこと。
発表会ではiPhone 13 Proで撮影されたデモムービーが流されたが、マクロのスローモーション映像など、アップデートされた広角・超広角・望遠カメラの効果が存分に発揮されていた。機械学習と視差を活用し作成した深度マップをビデオ内に構築することにより、ボケ効果の度合いや被写界深度効果を撮影後に変更できるのだという。
シネマティックモードの撮影はDolby Vision HDRで行われ、そこにはAppleが特別に開発したセンサーとA15 Bionicの機能が使われているという。グレーディングは撮影中にリアルタイムで実行されるとのことだから、SoCのパワーを強調することにも納得できる。
なお、A15 Bonicではビデオエンコーダ・デコーダが一新され、ビデオキャッシュは従来の2倍に増量しているそうだから、ビデオ撮影機能に対する注力具合はかなりのもの。ISP(画像信号プロセッサ)もノイズ低減とトーンマッピングが強化されている。
価格はiPhone 13 miniの128GBモデルが8万6800円、iPhone 13の128GBモデルが9万8800円、iPhone 13 Pro 128GBモデルが12万2800円、iPhone 13 Pro Maxが13万4800円(全て税込)から。予約受付は9月17日21時スタート、発売は9月24日を予定している。
新しいApple WatchとiPad miniも登場
iPhoneの他にも、スマートウォッチの新フラッグシップモデル「Apple Watch Series 7」も発表された。最大の変化は表示部。ベゼルは前モデルのSeries 6比で40%ほど細い1.7mmとなっており、約50%多いテキスト量を表示できる。また、縁で光を屈折させ包み込むような印象を生み出す仕様も追加されているという。
充電機構も見直され、新しい高速充電ケーブルの利用により0%から80%まで45分で充電できる。Apple Watchとして初めてIP6Xの防じん性能認定を取得したことも、進化点といえるだろう。