コア構成はA14 Bionic同様、2基の高パフォーマンスコアと4基の高効率コアからなる6コア構成で、4コア(Proでは5コア)のGPUと16コアのNeural Engine(機械学習関連の処理に特化したコア)が加わる。ただしパフォーマンスは向上しているそうで、Appleの言葉を借りれば「(主要な他社製品に比べ)最大50%高速」「グラフィックスは最大30%高速」とのこと。

「他社はまだ去年どころか2年前の私たちのチップに追いつこうとしている」という発言があったところからしても、Appleはプロセッサ開発に自信を深めていることが伺える。

A15 Bionicは「他より速い」ことが強調された
A15 Bionicは「他より速い」ことが強調された

5G対応の強化も特長だ。専用設計のアンテナと無線部品を見直したほか、通話やデータ通信の速度・エリア改善とバッテリーライフ向上のためにキャリアパートナー拡充を図っているそうで、「年末までには5Gへの対応を倍増」という説明があった。60の国・地域と200以上のキャリアに広げるというから、5G移行のペースは加速しそうだ。

体感できる変化といえば、駆動時間の延長だろう。A15 Bionicの省電力設計により、iPhone 13はiPhone 12に比べ最大2.5時間、iPhone 13 MiniはiPhone 12 Miniより最大1.5時間駆動時間が延びた。これはロジックボードなど内部設計の見直しによるバッテリースペース拡大が要因と考えられるが、5Gの速度が不要と判断したときは自動的に4G・LTEへ切り替える「スマートデータモード」の導入など、ソフトウェアの改善も貢献している。

ほかにも、28%明るくなり最大800ニト、HDRコンテンツ視聴時は最大1200ニトというピーク輝度を実現したSuper Retina XDRディスプレイ、IP68準拠の防塵防滴性能がうたわれている。

Super Retina XDRディスプレイは、HDRコンテンツ視聴時に最大1,200ニトというピーク輝度を実現
Super Retina XDRディスプレイは、HDRコンテンツ視聴時に最大1,200ニトというピーク輝度を実現

iPhoneだけで映画を作れそうな「シネマティックモード」

その一方で、リアカメラには変更があった。iPhone 12のときは縦に並んでいたレンズが斜めに配置され(3レンズの13 Pro/Pro Maxは外見に変更なし)、広角がf/1.6レンズ(1.7ミクロンセンサー)となり暗所でのノイズ低減効果を期待できる。

iPhone 12 Pro Maxと同等のセンサーシフト光学式手ぶれ補正も搭載されるので、撮影能力はかなりのレベルアップといえるだろう。4種類の中から自分好みの色合いを選び撮影できる「フォトグラフスタイル」など、ソフトウェア面での進化もある。