NOT A HOTEL販売サイトイメージ
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宮崎県青島のNOT A HOTEL AOSHIMAは、国定公園内に位置しておりオーシャンフロントの立地。独立したヴィラタイプの1室と、2階建ての低層コンドミニアム3タイプ・5部屋、計6室が販売される。

NOT A HOTEL AOSHIMAを代表する「MASTERPIECE 青島の家」は1棟1室のみのヴィラタイプ
NOT A HOTEL AOSHIMAを代表する「MASTERPIECE 青島の家」は1棟1室のみのヴィラタイプ

また、栃木県那須のNOT A HOTEL NASUはヴィラタイプ2室を販売。この2室は20頭の馬が暮らす、16万坪の牧場を望む立地にある。

各室の購入申し込みが重複した場合は選考・抽選の組み合わせにより購入者を決定。販売完了後に建設を開始する。竣工は2022年7月、稼働開始は同年8〜9月ごろを予定している。

濱渦氏によれば、問い合わせの半分は法人からで、社員の福利厚生や会社の資産として運用したいというものだそうだ。こうした背景から、NOT A HOTELでは自分で住居として使う、ホテルとして運用するという使い方のほかに、社員や知人へのギフトとして滞在をプレゼントするような機能も実装する。

NOT A HOTELのキー、ルームコントロールのイメージ
NOT A HOTELのキー、ルームコントロールのイメージ

NOT A HOTELでは、オーナーがすべての拠点のNOT A HOTELを相互に利用できる。オーナーは自分の所有する利用可能日数を使い、ほかのNOT A HOTELにも泊まることができる(部屋によっては、差額の支払いが必要)。2022年にはオーナーだけが1日1組限定で利用できる特別な「NOT A HOTEL EXCLUSIVE」を東京・広尾、東京・浅草と、複数のトレーラーで構成された移動する空間の3拠点に設ける予定もある。

不動産流通のセカンダリーマーケットづくりに意欲

濱渦氏は「これまでのホテル事業は設備ができてから稼働して、それから投資を回収していくことになるが、今回は、建物ができた時点で投資が回収できているという点が大きい」と話す。

「ホテル産業のDXというと、ホテルの業務面に目が向きがちですが、僕らはホテルをつくるところのDXをやっているつもりです。(ECシステムという)違う業界から来て感じるのは、設備産業としてのホテル業は今までリスクを取り過ぎていたのではないかということ。つくって10年、20年かかって投資を回収している。今回は、土地の仕入れや設計のリスクはあるけれども、建てるのは売れてからですからキャッシュサイクルが逆転する。そこで、ほかのホテルとも組めると考えています」(濱渦氏)

実際、既存のホテルから空き施設を売りたいという声がかかることも、結構あるのだそうだ。

コロナ禍で有名ホテルも月額制の長期滞在プランを前面に打ち出しているが、濱渦氏はこれを「とにかく稼働させて損益分岐を埋めるという意味で、PL(損益計算書)の調整」という。一方「僕らが提供するのはBS(貸借対照表)の調整」として「ホテル側は丸ごと施設を売却するのではなく、稼働していないところだけを売却することが可能なので、協業も増えるだろう」ともくろんでいる。