Milesは2019年3月に米国でサービスを開始し、2年半で140万人以上のユーザーを獲得した。現在の累積利用マイル数は50億マイル以上で、2021年3月時点の10億マイルから約半年間で5倍と、急激に利用が伸びている。

創業者のジガー・シャー氏はもともとシスコシステムズのエンジニアで、コネクテッドカーの開発に関わっていたという。だが自動車という製品は、ユーザーがクルマから降りると、その先は接点がなくなってしまう。かたやGoogleやFacebookのようなシリコンバレーの企業は、毎日のように顧客との接点を持って理解を深め、価値のあるサービスを提供している。シャー氏はそこにヒントを得て、移動の分野で同様のサービスを提供しようとMilesのコンセプトにたどり着いた。

日本はMilesにとって、初めての海外進出となる。一般的に米国のスタートアップがグローバル展開する際は、まず英国などの英語圏に進出することが多い。だがMilesは、最初の国として日本を選んだ。その理由は、人々のポイントプログラムへの関心の高さだ。2018年にシャー氏が日本を訪れた際、薬局で買い物をしたら複数種類のポイントをためられると教えられて驚いたという。その経験が今回の日本進出につながった。

サービス開始時で108の特典を用意

ユーザーが獲得したマイルは、さまざまな特典と交換できる。特典には大きく「割引クーポンやギフトカード」「抽選」「寄付」の3種類があり、サービス開始時点で83社108の特典が用意されている。

ミスターミニットでは靴修理・靴磨きの20%割引クーポンを提供。マイルを求めてたくさん歩き回ったら、ここですり減った靴底を修理できる
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クーポンにはファミリーマートのコーヒー無料クーポン(500マイル)やAnker製品の10パーセント割引クーポン(250マイル)、Amazonのギフト券(100円分で5000マイル)などが並ぶ。抽選は、一定数のマイルを使ってさまざまな賞品が当たる抽選に参加できる。寄付には動物福祉、赤十字、子ども支援、森林保全や環境保護などが用意されている。