Photo: erhui1979/gettyimages
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2018年から始まった暗号資産(仮想通貨)の「冬」の時代に終止符が打たれ、2021年の暗号資産市場は非常に賑やかになっている。

暗号資産や金融商品のオンライン取引所である米TradingPlatformsによると、2020年時点ですべての暗号資産の時価総額の合計は7580億ドル(約86兆円)だったのに対し、2021年5月時点では既に2.4兆ドル(約250兆円)にもなっている。2021年12月の時点では、ビットコイン単体でも1兆ドル(約110兆円)の時価総額になっている。

暗号資産取引の活発化にともない、法定通貨と連動する暗号資産であるステーブルコインの普及も進んでいる。仮想通貨データ分析企業のGlassnodeによると、ステーブルコインを保有するウォレットの数は2021年9月時点では、前年比で100パーセントの成長を見せている。

とはいえ、まだまだステーブルコイン自体をよく理解していない人も多いのではないだろうか。本稿ではその仕組みや種類、その急成長の背景を、ベンチャーキャピタル・Headline Asiaの林政泰氏が解説する。

価格安定を目的に開発された暗号資産「ステーブルコイン」

暗号資産は価格が乱高下しがちで、その不安定さから実際の「通貨」としては機能しにくい。そこで、安定した価格を実現するように設計されたのが、ステーブルコインと呼ばれる暗号資産だ。ステーブルコインを購入する方法はいくつかある。ステーブルコインを発行する発行体からの購入、発行体の提携先からの購入、またはセカンダリーマーケットでステーブルコインを持つ他人からの購入だ。