CoinMarketCapのスクリーンショット
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UST(TerraUSD)

USTは韓国のソウルに拠点を置くTerraform Labsが発行する、米ドルに連動する無担保型ステーブルコインだ。Terraformが自社開発したパブリックブロックチェーン「Terra」上で発行されている。

Terraformは別途、LUNAというトークンを発行しており、USTを発行するには、同じ価値のLUNAをバーン(発行済み暗号資産を消滅させること)する。USTの価格を安定させるのは、アービトラージ(裁定取引:相場の価格差を利用して利益を得る)を行う投資家たちだ。

USTの需要が多いと、本来は1USDの価値しかない1USTがそれ以上の価格になってしまう。そこで、1USD分のLUNAを購入し、そのLUNAをバーンして1USTを手に入れる投資家たちが出てくる。1USTを、例えば1.01USDに交換すると、その投資家は0.01USDの差益を手にする。これによって、需要に対して供給が少なかったUSTが供給され、USTの価格が下落し、1USDに近づく。

逆に、1USTが1USDよりも安くなってしまうと、1USTを0.99USDで買い、そのUSTをバーンしてLUNAを手に入れ、LUNAを1USDに交換。そうすることで、0.01USDの差益を手に入れる投資家が出てくる。USTは無担保型ステーブルコインの中では1位の発行量と取引高を誇っている。TerraformはUSTと同じ仕組みで、韓国ウォンに連動するTerraKRW(KRT)も発行している。

DAI(Dai)

DAIは分散型自律組織(DAO)、MakerDAOが発行し、米ドルに連動する、暗号資産担保型のステーブルコインだ。法定通貨担保型以外の担保型の中では、最も発行量の多い一番大きいトークンである。他の主要なステーブルコインの発行体が中央集権型の組織であるのに対し、DAIの発行体は分散型組織。Maker(MKR)という投票権付きのガバナンストークンの保有者によって、民主的に管理されている。DAIの基本的な仕組みは、暗号資産を担保としてスマートコントラクトに入金し、それと同じ価値分のDAIが発行されるというコンセプトになっている。現在は単一の仮想通貨でしか担保できない旧バージョンのトークン(SAI)、そして2019年にローンチされたマルチ担保型トークン(DAI)の2種類がある。

JPYC(JPY Coin)

JPYCは独自のブロックチェーン技術(ERC20)を活用し、日本の法規制を遵守した形で発行される、日本円と連動した担保型のステーブルコインだ(編集部注:林氏が所属するHeadline AsiaはJPYCを発行するJPYCに出資している)。日本円を発行体のJPYCに入金すると、同じ価値分のJPYCが発行される。