そこでまずは、世間のものさしであるお金関連の「紙モノ」と、自分の好み中心で整理する書類などの「紙モノ」とに分けて整理してください。
モノは基本的に過去の自分を示しています。過去を整理することは未来につながります。60代は、人生の残り時間も、折り返しに入っています。自分で選んでいいモノは、みんなが持っているから、流行しているからといった周りの状況を見て判断しなくていいのです。これから先の人生は「自分基準」で正直に、自分好みに仕上げていきましょう。
過去に好きだったモノが混ざっている場合、「時系列」整理と組み合わせれば、自分の好きなものをだんだん選べるようになります。
使い方もグッズ自体も超シンプル
「紙モノ」整理の7つ道具
「紙モノ」整理の7つ道具
ラベリングした個別フォルダが入ったシンプルなファイルボックスがズラリ──雑誌やYouTubeでは、素敵なファイリングやおしゃれな書類の収納法をたくさん目にします。
しかし、本書で提案している60歳からの「紙モノ」整理は、そういったものは使いません。使うグッズも方法も超シンプルで、身近にあるものばかりです。以下、「紙モノ」整理の7つ道具をご紹介します。
(1)透明A4クリアファイル
ほとんどの書類はA4サイズかそれ以下のため、まずは書類などを入れるA4クリアファイル(クリアフォルダ、クリアホルダーともいいます)を用意しましょう。
クリアファイルにはいろいろな種類がありますが、高齢になって目が悪くなってくると、中身が見えたほうが便利なので、透明か半透明がおすすめです。企業の広告が入っているものや絵が描いてあるもの、中身が見えない色付きのものなどもありますが、外から見えないと、いちいち中身を確認する動作がプラスされてしまいます。また、整理をしながら、「これは重要だから赤にしよう」などと考えていると時間がかかり、作業効率が低下します。透明一択にすれば、整理の時短になります。
厚さは薄いものより、中厚~厚手がおすすめです。立てて収納しやすく、少し厚みがあるほうがめくりやすいためです。
A4透明クリアファイルは、100円ショップなどで、中厚~厚手が5枚くらいセットになって売られています。文房具店や通販で50枚くらいまとめて買うのもいいでしょう。