2024年1月からついに開始される「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
そんな課題を解決するために12月上旬に発刊されるのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では先行して本文の一部を抜粋してお届けする。

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投資に絶対はないートラブルに注意

 世間に流れている投資の情報には、さまざまなものがあります。「投資」と聞いて思い浮かべるものは、人によって大きく異なるかもしれません。投資と聞くと、「騙される」「詐欺」といったイメージを真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 実際に、投資を騙ったトラブルは増加しています。金融庁の統計によると、金融庁の相談室に寄せられた「詐欺的な投資勧誘に関する情報」は、近年増え続けています。詐欺の被害にあった人の数も、20代以下の若い人から働く世代、70代以上の高齢者まで、全世代に満遍なく広がっています。

 皆さんのなかにも、身近なところで投資詐欺の事例を見聞きした、あるいはご自身が詐欺にあったという方がいらっしゃるかもしれません。気をつけなければいけないのは、投資には必ずリスクが伴うということです。

 リスクとリターンは同じコインの表裏のような関係で、リスクを取らずにリターンだけ得ることはできません。一定のリスクを取るからこそ、リターン(見返り)が得られるのです。通常、高いリスクを取れば取るほど、高いリターンが期待できますが、その分、損をする可能性も高まります。