「日本人は保険に入り過ぎ」「生命保険の大半は解約して問題ナシ」マネー本100冊読んでわかった不都合な真実マネー本の著者の多くが、「日本人は、保険に入り過ぎている」「生命保険は、正しく入らないと損をする」と指摘している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年人気の「ベストセラー100冊」シリーズを手掛けるふたりの著者が100冊のマネー本を精読し、その傾向を分析すると、お金のプロが認める「ルール」が見えてきた。100冊中29冊に書かれていたのは、自身や家族を守る「生命保険」に関する重要なポイントだったという。本稿は、藤吉豊氏と小川真理子氏の共著『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

生命保険を理解して
正しい選択をする

 8位は、「生命保険は『正しく』入る」です。マネー本の著者の多くが、「日本人は、保険に入り過ぎている」「生命保険は、正しく入らないと損をする」と指摘します。100冊中29冊が、「生命保険の見直し」に言及していました。

POINT
1 生命保険の4つのタイプを理解する
2 医療保険は最低限に
3 貯蓄と保険は分ける

●生命保険……死亡保険、医療保険、がん保険、学資保険、年金保険など、生命保険会社等が広く一般に販売している商品全般のこと。

 生命保険文化センターが発表した「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%、世帯年間払込保険料は平均37.1万円です。仮に30年にわたって37.1万円を払い続けると、合計で1113万円になります。これだけの保険料を払っても、契約条件にあてはまらなければ、保険金を受け取ることはできません。

「保険というものは、基本的に『払ったお金が必ず返ってくる』ものではありません。これが大原則です。(略)
『保険料を支払う』ということは、サービスを購入しているわけでもありませんし、投資をしているわけでもない。あくまで、リスクに備えるためのもの」
(池上彰『新版池上彰のお金の学校』/朝日新聞出版)

「安心のために」と保障を必要以上に大きくし過ぎると、保険料が高くなります。保障は必要な分だけ用意して、出費を抑えるのが理想的です。支出を抑えるためにも契約内容を見直し、自分にとってどのような保障が最適なのかを考える必要があります。

◆生命保険を見直すタイミング
・結婚したとき
・子どもが生まれたとき
・転職したとき、自営業になったとき
・住宅を購入したとき
・専業主婦(主夫)の妻(夫)が再就職したとき
・子どもが独立したとき など

「保険を見直すと、大きな節約になる!!(略)民間の保険に入るのが悪いことじゃないんだけど……なんとなく入るのがダメ!!入った人に『それってどんな保険なの?』って聞くと……だいたいの人が保障の内容をわかってない……」(大河内薫、若林杏樹『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』/サンクチュアリ出版)

「ほとんどの人は、生命保険の大半を解約してしまってもなんの問題もありません。資産形成から考えれば、生命保険ほど効率の悪い金融商品はほかにありませんから、その利用は最低限にとどめるべきです」(橘玲『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』/幻冬舎)