中身が変わったことを世間に示せなければ
巨額の損失が生まれる大失敗に
仮にそれらの処分は伊藤忠の買収後に解消されるめどがたったとしても、顧客から見た評判を回復できるかどうかが、3番目のレピュテーションリスクでの課題です。
「あれは結局のところビッグモーターだろう」
と言われて顧客が戻ってこなければ、手に入れた人員、店舗・工場などがすべて負の資産へと形を変えてしまいます。
つまり、ただ看板を書き換えただけではなく、伊藤忠の買収によって中身も変わったことを世間に知らしめることができなければ、巨額の損失が生まれてしまうことになりかねないということです。
このレピュテーションリスクを回避するために重要なことは「変わった」ことを象徴する変化を起こすこと、そのわかりやすい例が著名なプロ経営者を招聘(しょうへい)することです。
伊藤忠では過去に、傘下のファミリーマートの経営を、元ファーストリテイリング副社長だったプロ経営者の澤田貴司氏に託したことがあります。それと同じぐらいのビッグネームを見つけてこなければ、ビッグモーターの悪評判を覆すのは難しいかもしれません。