ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?7月25日、記者会見に臨む兼重宏行前社長 Photo:JIJI

連日報じられるビッグモーターの不正事件。これは「ビッグモーター1社の凋落(ちょうらく)」だけでは終わらないでしょう。私は、中古車業界・他業界まで波及する影響があると予測します。今後、何が起こるのか? 平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」社員たちも、このままではいられないかもしれません。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

ビッグモーターの不正事件は
「1社の凋落」では終わらない

 ビッグモーターの不正事件が大きく動き出しました。不正は2021年秋から断続的にメディアに報道されてきたのですが、ビッグモーターという大企業の特殊性から、これまで2年にわたってそれほど大きな事件とはなっていなかったのです。

 ビッグモーターは未上場企業であるために情報の開示義務がないことが、この事件の特異な状況を作り出していました。さらに内部告発やリークから不正を疑う報道が出るたびに会社がそれを黙殺したことで、後追い報道も出づらかったのです。

 今月、事態が大きく動いたのは第三者委員会の報告書が明らかになったからなのですが、実はこの報告書自体、当初は開示されていませんでした。あくまで被害者の立場にある損保3社に宛てた報告書だったという事情からです。この対応に業を煮やしたいずれかの関係者が多数のメディアに内容をリークしたことから、ようやく大事件に発展しました。

 今回の記事では未来予測の専門家の立場から「これから何が起きるのか」にフォーカスして、ビッグモーターを取り巻く今後について予測していきます。