収入も増えたが支出も増えた?
では、「支出(出ていくお金)」についてはどうでしょうか?
37%の人が「増えた」と回答しており、「減った(17%)」を大きく上回っていました。多くの年代で3~4割の人が「増えた」との実感を持っているようですが、女性の方が「増えた」という実感を強く持っているようです。男性も家事育児を担うようになってきたとはいえ、食品や日用品など日々の買い物を担うことの多い女性ほど、さまざまな商品の値上がりに直面し、それに伴う支出増を繰り返していることも要因となっていそうです。
収入も増えたが支出も増えた?
また、長期化する値上げにより「値上げ」に慣れてきてしまったともいわれていますが、本当でしょうか?
「値上げに慣れてしまった感覚はありますか?」と質問したところ、42%の人が「あてはまる(慣れてしまった)」と回答しており、「あてはまらない(32%)」を10pt上回っていました。性年代別に見ても、その傾向は同様ですが、特に女性の方が「慣れ」の感覚を抱いているようです。
なお、相次ぐ値上げに対抗するために節約努力もまた長期化しています。「節約に疲れてしまった感覚はありますか?」と質問したところ、42%の人が「あてはまる(疲れてしまった)」と回答しており、「あてはまらない(25%)」を17ptも上回っていました。その傾向は女性において特に強くなっており、女性40代では55%に達しています。2022年秋以降に始まった値上がりラッシュとそれにあらがう家計費防衛(節約生活)の長期化に対して、お財布を預かる女性陣の中で疲労感が広がっていることが浮かび上がってきました。
後編では、男女別・世代別に何に支出が増えたのか、そして「節約疲れ」の実態をより詳細にみていきます。
《データ出典》【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79歳の男女
標本サイズ:N= 3,021 国勢調査に基づき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収
調査実施時期:2023年11月3日(金)~11月5日(日)
【株式会社インテージ】https://www.intage.co.jp
株式会社インテージは1960年に創業。世界9カ国に拠点を持ちマーケティングリサーチインサイト事業でアジアナンバーワン*のインテージグループをけん引し、国内外の企業・団体のマーケティング活動をトータルサポートしています。「生活者理解の深化」と「データ活用の高度化」により顧客ビジネスの未来創造を支え、「Create Consumer-centric Values~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」という事業ビジョンの実現を目指しています。
*「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2023」に基づく(グループ連結売上高ベース)