原材料高の影響で、相次いで値上げに踏み切った味の素。商品別の値上げの実態を分析すると、市場での味の素の実力と弱点も見えてくる。特集『味の素 絶好調下の焦燥』(全7回)の#6では、味の素の主要20商品について、価格上昇率ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
食品メーカーで相次ぐ「値上げ」
値上げ戦線は営業活動の“通信簿”
「日頃の営業活動の“通信簿”だったと思う。やはりわれわれはしっかりやっていた。『大したもんだ』と営業部隊を褒めたい」
味の素の正井義照食品事業本部長は、商品の値上げ状況についてそう語り、満足げな表情を見せる。
長引くコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻による原材料高を受け、食品メーカーは値上げラッシュだ。
味の素も例外ではない。うま味調味料「味の素」や冷凍食品「ザ★から揚げ」など値上げが相次ぐ。マヨネーズ「ピュアセレクト」に至っては、原料の油脂の価格が高騰したことから2021年以降3回もの値上げに踏み切っている。10月に入ってからは「ほんだし」や「コンソメ」も値上げした。
ただし、味の素が公表しているのは、「出荷価格」の値上げだ。実際にスーパーやコンビニなどの「店頭価格」が上昇するとは限らない。とはいえ、冒頭の正井本部長の言葉が示すように“値上げ戦線”は順調だという。
どの商品がどれだけ値上げできたのか。店頭価格の値上げは、小売業が「この価格ならば売れる」と判断した、味の素の商品の“実力”を反映する指標となる。
そこでダイヤモンド編集部では、味の素の主要20商品「値上げ率」ランキングを作成した。7位にはマヨネーズ、5位には看板商品の「アジパンダ瓶」がランクインした。値上げ率で1位となった商品は何か。
次ページでは、味の素の主要20商品「値上げ率」ランキングと、ランキングで分かった味の素の商品の勝ち組と負け組を紹介する。