万博はオワコン?BTSまで出して誘致失敗の韓国、さぞ悔しがっているかと思いきや…韓国第二の都市、釜山(プサン)市 Photo:PIXTA

2025年開催の大阪・関西万博をめぐり、日本では工期の遅れや予算オーバーなどネガティブな声が多く上がっている。一方、先日、2030年の万博開催地が決定した。釜山は最終候補に残っていたが、敗退。韓国は政府・自治体・企業が一丸となって大規模な誘致キャンペーンに注力していたので、釜山市民はさぞかし落ち込んでいると思いきや、意外な反応が起きている。(韓国在住ライター 田中美蘭)

釜山市、万博誘致に全力を注いだもののリヤドに大敗

 11月28日、2030年の国際博覧会(万博)の開催地が決定した。博覧会国際事務局(BIE)の総会がパリで開かれ、釜山(韓国)、リヤド(サウジアラビア)、ローマ(イタリア)の3都市が最終候補として名乗りを上げていた。釜山市はプレゼンテーションと投票の場で手応えを感じていたようだが、投票された165票の内訳は、リヤド119票、釜山29票、ローマ17票。結果はリヤドの圧勝で、釜山市の夢は潰えた。この予想外の敗退に、韓国国内ではさまざまな意見が飛び交っている。

 万博誘致活動の中で特に印象的だったのは、昨年10月に釜山で行われたBTSのコンサートだろう。万博誘致をPRすると同時に、BTSの兵役前最後のコンサートともなっており、国内外のファンが無料で招待され、日本でも大きな注目を集めた。釜山市は1年4カ月にわたり、公共交通機関で万博誘致をテーマにしたラッピングバスを走らせたり、街中に誘致関連のディスプレイを設置したり、「イカゲーム」で知られる俳優イ・ジョンジェを含む多くの芸能人を起用したりと、国内外向けに熱心なPRを行っていた。