大阪万博が失敗確定な「4つの理由」、世界もあきれる“驚きの開催目的”とは?Photo:Carl & Ann Purcell/gettyimages

鮮烈な記憶を残した1970年大阪万博

 大阪万博を楽しみにしている。子どもの頃、1970年の大阪万博に「月の石」を見に行った。アメリカ館で、月探索計画「アポロ計画」によって月面から持ち帰られた実物が展示されていたのだ。しかし、超人気で3時間くらい待たなくては入れなかったのであきらめた。3回行ったのだが、ついに一度も入れなった。

 しかし、アメリカ館だけでなく、他国のパビリオンが相当面白かった。記憶が定かでないのだが、タンザニアのパビリオンではアウストラロピテクスの骨が展示されていたのではなかったか。今から考えれば間違いなくレプリカだったろう。タンザニアもアウストラロピテクスもそのときまでよく知らなかったのだが、何かしら大変興奮したことを覚えている。すごいものを見たと思った。

 海外の国のパビリオンだけでなく、民間のパビリオンも良かった。日本ガス協会のガス・パビリオンの展示は、「笑いの世界」がテーマだった。笑った口をかたどった建物の造形がユニークで、建物すべてのエネルギーをガスで賄うシステムが展示され、オーブン料理が食べられるレストランもあり、楽しくて、おいしくて感動した。未来がそこにあった気がした。

 当時の万博は、国家の威信をかけたプロジェクトでもあり、他国から興味深いパビリオンが集結し、企業も展示に相当力を入れていた。岡本太郎の彫刻をはじめ、文化的な側面でも有名な建築家やアーティストが参画するなど話題が多かった。

 こういう思い出を持つ者にとって、あの感動をもう一度味わえるのであれば、本当に素晴らしいことだと思うのだ。しかしながら、直近の情報では、かなり雲行きが怪しい。大阪がいくら「笛吹けど、誰も踊らない」状況にあるようだ。特にパビリオンで何かを展示する外国や企業の誘致に苦心しているらしく、参加に乗り気でない国や企業が多そうなのだ。