「0円生活」に「ありがとう通貨」
ひきこもり村の新しいルール

 まず、ひきこもり村にはどのようなものが必要かを考え、みんなでアイデアを100個出し合った。

 最初に、5人ずつくらいのグループに分かれた。そして、村に必要と思われる、景色、人、仕事、ルール、お金、つながりの6つのテーマについて、30分くらい自由に話し合った。

 次に、気になるキーワードを付箋に書いてもらうのだが、当事者たちはなかなか書いてくれない。そういうテーブルでは、ファシリテーターが入って「ここは、できる、できないはいいから、付箋を出しましょう」と働きかけた。

 あるテーブルでは、誰かが「こんなことやろうよ」とアイデアを出すと、「いや、できません」とひたすら否定している。現実がよく見えているから、アウトプットにつながっていかないのだ。

 一方で、逆に、何度否定されても、アイデアを出そうと働きかける人がいたという。

 こうして村のアイデアが次々に生まれた。

 例えば、「ルール・文化」のテーマに記されていたのは、「上下関係なし、同調圧力なし」「フェアな競争」「過去にとらわれない未来発想」など。

「仕事&流通・経済」のテーマでは、「0円生活」「ありがとう通貨」といったものが興味深い。

 さらに「人のつながり、コミュニケーション」に対しては、やはり「集まる場(サロン)」「SNSを中心にしたコミュニティ」などが目を引いた。

 面白いアイデアがいっぱいだ。この中からテーマを5つに絞り、参加者には、それぞれ話し合いたいテーブルについてもらった。

 そして、空間の真ん中に、ファシリテーターが用意してきたレゴや粘土、絵などの材料を置き、「これから材料を使ってプロトタイプ(モノ作りを通して表現)してください」とアナウンスした。

 モノ作りをしているときも、和気あいあいとしているテーブルもあれば、ずっと話を続けていて、なかなか作業の進まないテーブルもあったという。

 しかし、ひとたび、レゴなどを手にすると、それはそれ。大人たちは、すっかり童心に帰ってしまう。

 モノを作るのが苦手な人たちは、ひたすら付箋に向かっていた。これも1つの表現に違いない。