嫌なことに向き合うときは勝機があるときだけでいい

 この無理をしてまで苦手と向き合わなくていいというのはNSC(お笑い養成所)でも言っていることです。得意を伸ばした方がいいですし、仮に芸人が向いていないと思うなら引け目を感じず新しい道に進んでいいとも言っています。

 なぜなら、芸人が世の中で一番でもなければ、売れっ子になることだけが正解ではないからです。実際に芸人を辞めて、芸人以上に活躍する人はたくさんいますし、そのほとんどが芸人をやっていたときよりもイキイキしています。そういった生徒が生まれるたびに私は非常に嬉しいですし、誇らしく感じます。

 このことからもわかるように、大事なのは苦手かもと思ったことに向き合いすぎずに自分の得意を追求することなのです。

 仮に、嫌なことに向き合うときがあるとすればそれは勝機があるときだけで構いません。その勝機とは、失敗しそうだけどいい経験ができそうなときや自分の得意を伸ばすために得られるものがあるときを指します。

 多く人が無理をしてでも苦手を克服しなければと考えているように思います。ですが、そんなことはしなくて大丈夫です。自分の良さに目を向けて、着実に成長していけば問題ありません。ぜひ、頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。