それを店頭のPOPにも活用したところ、ターゲットとのエンゲージが高くて、コンビニの週販がはね上がりました。ターゲットに需要性のあるメディアで、かつ親和性のある人が語れば、結果が出ることが分かったんです。

 そこで成功事例がつくれたので、次に「ネスカフェ アンバサダー」と「ネスカフェ バリスタ」の違いが分からない人が多いという課題にアプローチすることにしました。その際に「カメラを止めるな!」が大ヒットしていたので、これをコンテンツの中にうまく組み込めないかと考えたんです。

徳力 私は最初の放送をライブで見ていましたが、「ネスレさんありがとう」というコメントがあふれていたことが印象的でした。

村岡 そうなんですよ。あれには、すごく感動しました。番組へのコメントでバリスタとアンバサダーの違いが伝わったかどうかを可視化できました。

徳力 単純なリーチだけを取ろうと思ったら、安くて楽な方法はいっぱいあります。エンゲージメントを高めることを考えたら、リアルなイベントという選択肢もあるんですが、『カメラを止めるな!』スピンオフ版の場合は、ある意味一度に両方を成立させていますよね。本当に興味深かったです。

 こうした日本における挑戦を村岡さんがグローバルで再現されることができるのかどうかに注目しています。もちろん本社のレベルが想像以上に高くて、完膚なきまでに打ちのめされて帰ってくるケースもあるかもしれませんけど(笑)、それはそれできっと大きな学びがありますよね。村岡さんのチャレンジを楽しみにしています。