なぜ「ECの専門家」という肩書を手放したのか、ディノス・セシールCECO石川森生石川森生 ディノス・セシール CECO(Chief e-Commerce Officer)新卒でSBIホールディングス入社。SBIナビ(現・ナビプラス)の立ち上げに参画、営業統括の責務を担う。その後、ファッション通販サイトのマガシークにてマーケティング部門の責任者、製菓製パン向けECサイトcottaを運営する株式会社TUKURU代表取締役社長を歴任。イントレプレナーとして常に企業の課題解決に従事。2016年2月、株式会社ディノス・セシールでCECO(Chief e-Commerce Officer)に就任。同年7月よりEC本部を組織。既存の枠組みを超える、サスティナブルなECビジネスを構築するというミッションを実践している。 提供:Agenda note

デジタル領域を出自としながら、DMなどリアルな手法をデジタルと組み合わせ、昨年は全日本DM大賞のグランプリを受賞するなど成果を出しているディノス・セシールのCECO・石川森生氏。前編に続き、EC業界から、あえてカタログを強みにする通販会社に飛び込んだ背景に迫りました。(編集注:本記事は2020年4月13日にAgenda noteで掲載された記事の転載です。登場人物の肩書きや紹介するサービスの情報は当時の内容となります)

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「意味のないEC」を「意味のあるもの」に変える挑戦

徳力 失礼な言い方かもしれませんが、石川さんが経営者まで経験された後、ディノス・セシールに加わったことを不思議に思う人は少なくないんじゃないかと思います。

 当時のディノス・セシールは、まだそこまでデジタル化が進んでいなかったでしょうし、私からすると、せっかくECでの経験を積んだのに、すごく大変なところに踏み込んだように見えたんですよね。

石川 当社の通販ブランドである「ディノス」も「セシール」も1990年代からECサイトを運営していたので、インターネットの歴史は長いのですが、あくまで受注ツールでしかなかったので、本当にECビジネスをしていたかと問われたら、おそらくそうではなかったですね。