ディノス・セシールでCECOを務める石川森生氏。石川氏はSBIホールディングス、ファッション通販サイト「マガシーク」、製菓・パン材料のECサイト「cotta」を運営するTUKURU代表取締役社長など、デジタル領域でキャリアを積み、2016年に総合通販のディノス・セシールに入社。デジタル領域を出自としながら、DMなどリアルな手法をデジタルと組み合わせることで成果を出し、昨年は全日本DM大賞のグランプリを受賞。若くして成果を出し、マーケティング領域で注目を集めています。今回はEC業界から、あえてカタログを強みにする通販会社に飛び込んだ背景に迫りながら、これからの企業やマーケターに必要な考え方について迫ります。(編集注:本記事は2020年4月7日にAgenda noteで掲載された記事の転載です。登場人物の肩書きや紹介するサービスの情報は当時の内容となります)
インターネットは、あくまで「お金を稼ぐ」手段だった
徳力 石川さんは、1984年生まれですよね。ミレニアル世代の人たちは、学生時代からSNSに触れていて、インターネット上で友だちとコミュニケーションをとることに慣れているため、私たちの世代とはビジネス感覚が根本的に違うのではないかと考えています。
インターネットに大学生の頃に触れたのが、いわゆる“76世代(1976年前後に生まれた経営者)”ですが、私はもっと若く中学生ぐらいの頃にインターネットを経験している新しい世代のビジネスパーソンが1987年周辺にもうひとつの山を築いているという仮説を持っているんです。例えば、SHOWROOMの前田裕二さんや研究者の落合陽一さんが該当します。
そういうわけで、今日は同世代の石川さんにお話を伺いしていきたいのですが、インターネットに最初に出会ったのは、いつごろですか。
石川 ユーザーとしては、小学校6年生か中学校1年生くらいですかね。5つ上の兄がコンピュータ好きで、気付いたら家にインターネット回線が通っていたんですよ。ただ、私はコンピュータにもインターネットにも興味はありませんでした。