Beyond MeatとImpossible Foods──。この2社が開発し製造する植物性の代替肉が、米国飲食店の食肉事情をじわじわと変え始めている。ケンタッキーフライドチキン、バーガーキングといった大手チェーンが導入するだけでなく、中小規模の飲食チェーンや個人経営のレストランでも、2社製の代替肉を使用するケースが増えてきた。
この“代替肉ブーム”は日本でも起こりつつある。カレー専門店チェーンのCoCo壱番屋は3月、大豆由来の「大豆ミートのメンチカツ」をトッピングメニューに加えた。同じく3月、モスバーガーは植物由来の素材のみを使った「グリーンバーガー」を販売開始した。
フレッシュネスバーガーもモスバーガーに続くかたちで、代替肉を使用したハンバーガーの販売に乗り出した。8月に販売開始した「THE GOOD BURGER」のパティには、日本発のスタートアップDAIZが開発する植物性の代替肉「ミラクルミート」が採用されている。
なぜフレッシュネスバーガーはDAIZの代替肉を採用したのか──。フレッシュネスバーガーを展開するフレッシュネス商品開発マネージャーの逆井里奈氏とDAIZ執行役員でCMOの広川学氏に、代替肉で成し得る“食の未来”の可能性について話を聞いた。
Beyond・Impossibleの代替肉は「美味しくなかった」
フレッシュネスの逆井氏は2019年8月、市場調査のために米国へと渡っていた。海外で話題だった代替肉を自社でも取り入れたいと考えていたからだ。代替肉の実食に心を踊らせていたが、その味には肩を落とすこととなった。