DAIZは5月、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、三菱UFJキャピタル、岡三キャピタルパートナーズ、ニチレイフーズ、そしてDAIZの関連会社・果実堂を引受先とし、シリーズAラウンドで6.5億円を調達。累計調達額は12億円となった。ニチレイフーズとは資本業務提携を締結していて、共同で商品開発中だ。

DAIZ執行役員でCMOの広川氏いわく、同社は国内にとどまらず、北米市場でもB2B事業の展開を目指している。調達した資金はそのための生産体制の拡大と研究開発の強化に使われている。

「Beyond MeatやImpossible FoodsにもDAIZの代替肉原料を使って欲しい。北米を皮切りに、ヨーロッパ、アジアと、全世界的に展開して行きたいと思っています」(広川氏)

想定を上回る売れ行きで全国展開が決定

DAIZが製造する大豆由来の代替肉を採用したTHE GOOD BURGERは、糖質約45%オフの低糖質バンズを採用し、ヘルシーなハンバーガーに仕上がった。値段はフレッシュネスバーガーが提供する他のハンバーガーと比較して少し高めの480円で、サイズは小ぶりだ。醤油麹をベースにしたテリヤキソースで味付けしたのは、代替肉の魅力を最大限に活かすためだという。

 

「お客さんに代替肉の魅力が伝わりやすいように、シンプルなレシピで仕上げました。トマトソースなども試しましたが、テリヤキソースに使われる醤油も原料は大豆。一番しっくりきました」(逆井氏)

筆者も何度か食べてみたが、言われなければ代替肉だと気づかないほど、食肉に近い風味と食感だった。原料そのものを食べるとほのかに豆臭さがするが、テリヤキソースの醤油風味で味付けされているため、気にならない。

THE GOOD BURGERは8月12日より首都圏の一部店舗で検証販売された。売れ行きが想定を大幅に上回ったため、9月1日からはアプリ会員限定で全国展開を開始。10月1日からは全国で通常購入が可能となる。

フレッシュネスではDAIZの代替肉を採用した商品の第2弾も視野にあるという。DAIZでは代替肉を使ったチキンナゲット、唐揚げ、メンチカツなども試験的に開発している。逆井氏はハンバーガーだけでなく、代替肉を活用したサイドメニューの展開にも意欲的だ。


DAIZが試験的に開発する代替肉を使用した唐揚げ(手前)とメンチカツ(奥)

代替肉で可能となる、よりサステナブルな食肉供給

代替肉が注目を集めている背景には、タンパク質の需要に供給が追い付かなくなる、いわゆる「タンパク質危機」がある。国連の発表によると地球上の人口は2050年までに約100億人に達する。人口増加に加えて新興国の経済成長といった要因により、タンパク質の需要に供給が追い付かなくなるのだ。