広川氏はタンパク質供給をよりサステナブルにするため、代替肉の社会的意義は今後さらに拡大していくと想定している。フレッシュネスによるTHE GOOD BURGERの開発も、環境保全を念頭においたCSRの取り組みの一環だ。逆井氏は、フレッシュネでは今後もビーフを中心に商品展開をしていくが、代替肉という選択肢を模索することも重要だと話す。

 

「我々は代替肉を販売していますが、私自身は食肉の方が好きです。お肉はとても美味しい。しかし、人口の増加に食肉の生産が追いつかなくなり、経済的に優位な国が独占してしまう可能性もある。貿易戦争で貧しい子供たちが美味しいお肉を食べられなくなってしまうことも考えられます。僕はそれは嫌なんです」(広川氏)

新型コロナ感染拡大の渦中でも、代替肉は存在感を発揮した。従業員の新型コロナ感染により食肉加工施設の閉鎖が相次ぎ、代替肉の需要が急速に高まったのだ。米国の調査会社ニールセンによると、5月2日までの週において、米国での代替肉を含む精肉の代替食品の売り上げは前年比で約228%増加したという。

「DAIZのような企業が、代替肉の生産を通じて食肉の流通を下支えし、世の中に食肉がちゃんと行き届くようにしていくことが大事だと考えています」(広川氏)