「自分が金持ちになるために起業する」というマインドはサービスにも反映されるし、何より従業員にバレるんですよ。コンサルでは「頂いている以上の価値を相手に提供する」と言っていたんですが、結局は自分のための起業になっていました。そんな低い理念や視座では人はついてこないし、サービスもちょっと利益が出たら頭打ちになります。
起業で失敗をすると、本当に、無茶苦茶に、つらいことがあるんですよ。昨日までは仕事終わりに、コンビニで買った安い缶チューハイを一緒に飲んでいたような仲間だって、いざ会社がつぶれかけたら、喫煙スペースでこそこそと悪口を言うようになります。あらためて思うのは、創業者のマインドセットの大切さです。本気で会社に来てくれた仲間に対してはウソを言わない。たとえメディアの前ではいいことを言っても、本心が「金もうけだ」というなら、仲間にも素直にそう話した方がいいですよね。
おかげさまで私自身の人生の目標は何度か上方修正できているので、今度は日本のために何をしていくべきか考えています。Reproは今、海外進出を進めています。僕はあらためて、「日本人が外貨を獲得する」というのを、先頭を切ってやっていきたい。今年はシンガポールに法人を立ち上げましたが、1年半後にはインドにも進出して、アジアでシェアナンバーワンを本気で取ろうと思っています。きつい勝負かもしれませんが、最初の起業から10年以上も泥水をすすり続けてきました。同じことをやるだけです。