健康経営に取り組む法人は増えている。2019年には「健康経営優良法人」として大企業で821法人、中小企業で2503法人が認定されており、直近では特に中小企業へ取り組みが広がっている。刀禰氏は「企業が健康経営に取り組む目的は『健康経営銘柄』や『健康経営優良法人』になることではない。生産性の向上だ」として、次のように述べている。

「生産性向上は、オペレーションの最適化やIT活用など、生産性向上の手法と、働きやすい職場との組み合わせで成り立つ、というのが健康経営の考え方。この働きやすい職場を実現する要素のうち、『社員の心身の健康』と『明確なルールとその遵守』の部分について、僕らはソリューションを提供していく」(刀禰氏)

画像提供:メンタルヘルステクノロジーズ働きやすい職場と、健康経営の方程式 提供:メンタルヘルステクノロジーズ
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 刀禰氏は「企業のメンタルヘルスに関する悩みはそれぞれ違っており、ニーズは多様。一方でコストはかけられない状況だ。お金をかければ、あるいはアナログなら手法はいろいろあるが、時間とコストをかけずに、クラウドで、メンタルヘルスケアのソリューションを提供していくというのが僕らの発想だ」と語る。

「経営陣も人事もメンタルヘルスの問題を後回しにしがち。起業家も、特に小さい規模のうちはメンタルに課題を抱えることはある。しかし事業がうまく軌道に乗り、従業員数が増えてくるとそれを忘れて、メンタルヘルスケアをコストと捉えるようになる。そもそも経営陣や管理職、人事部門の人には“勝ち組”が多く、メンタルの不調を理解しにくい。そうした人にも『メンタルヘルスはケアできる』と教育する必要があります」(刀禰氏)

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