夫のゆうすけさんは「もともと2人で『キャンピングカーで全国を旅してみたいね』と話していたのがきっかけ。結婚するときに挙式のコンセプトを考えていて、バンライファーになる道を見つけた」のだと言う。
彼らが寝泊まりする車の特徴は、ほとんど家から持ち出した家具や収納を使っていることだ。ハイエースの後部座席に収納ボックスを載せ、その上に木材を敷いてベッドのマットレスを乗せている。バンライフのために購入したのは後部座席の窓に付けている断熱材とカーテンを掛けるフックだけだ。
妻・ちあきさんは、「車に寝泊まりすることにはすっかり慣れました。自分の部屋のような感覚で、帰ってくるとほっとするし、今では実家に帰ってもハイエースで寝たくなるほど」と笑う。
料理道具や衣類など、なんでも日常使う物は手の届く範囲にあるため、家にいるよりも便利だと言う。逆に不便なのは、水回りの確保とゴミ捨てで、特にできるだけ水を使わずに料理するのには慣れが必要だそう。
2組目の夫婦は、ウェブデザイナーの菅原拓也さんとライターの恵利さんだ。それぞれの仕事をリモートでこなしながら、「えりたく夫婦」としてユーチューバーもしている。
彼らは、スズキの軽自動車ハスラーで旅をしている。寝るときは運転席から後部座席まですべて倒して、車内全体がベッドに様変わりする構造になっている。夫の拓也さんによれば「ここまで狭い環境でバンライフをしているのは、バンライファーの中でもかなり珍しい」らしい。
もともとアドレスホッパーだった2人は、定住場所を持たずに移動する生活を続ける中で出会い結婚した。今では、愛犬も交えてバンライフをしている。
「前職はスタイリストをしていたので、服やメイク道具をたくさん持っていましたが、この生活をすると決めて整理しました。今では洋服は4パターンくらいしかありませんが、不思議と物欲はありません。飽き性なので、同じ場所にずっといるより移動する生活の方が性に合っているんです。さすがにもう少し広い車に替えたいですけどね(笑)」(恵利さん)
また、拓也さんはCarstayを利用して「車中泊のできるスポットのありがたみを実感している」と言う。
「各地に気兼ねなく滞在できる拠点があるとすごく助かります。常に動いていると疲れるので。あとは、車中泊スポットにはバンライファーが集うので、人とのつながりができるのがうれしいです。普通なら出会えない人と親しくなれるのが旅の醍醐味ですから」(拓也さん)